IGFAチェアマン逝去のお知らせ

 

 当協会の活動にも深い理解を示され、毎年イヤーブックにご挨拶のことばを頂いていたIGFA チェアマン、パクソン・オフィールド氏が6月14日に逝去されました。64歳でした。

 

 大学で経済学を専攻した彼は、ロスアンジェルスの沖に浮かぶサンタ・カタリナ島の学校で教員をしていましたが、その後で家を継ぎ、カタリナ島の開発管理を行うようになります。いまから100年以上前に創業したこの会社は、島の自然を保全しつつ最低限の開発を行って、カリフォルニアのリゾートを作るという目標を持っており、オフィールド氏は役員、会長、そして最高経営責任者を歴任しました。カタリナ島はいまでも、南カリフォルニアの人たちにとって特別な観光地であり、年間 100 万人が訪れます。

 

 カタリナ島で有名なのは、アヴァロンにある「ツナ・クラブ」です。世界のビッグゲームの発信地となったこのクラブでは、チャーリー・チャプリン、ウインストン・チャーチル、ゼーン・グレイらが会員として活動しました。いまやビッグゲームの常識となったアウトリガーやティーザーの使用も、このクラブから生まれました。世界で始めて、メカジキやクロマグロを竿とリールを使って釣り上げたのもクラブのメンバーです。このクラブの理念の1つは「ルールの徹底による魚類保護」であり、その考えは IGFA の創立へとつながってゆきます。パクソン・オフィールド氏は、このツナクラブの会長としても活動し、IGFA チェアマンの前にはザ・ビルフィッシュ・ファウンデーション (TBF) の会長として舵取りを行いました。カタリナに置いてある自艇「Kelsey Lee」を駆り、あるいな現地の船をチャーターして、彼はガーナ、マデイラ、ベネズエラ、ドミニカ、コスタリカ、パナマ、ペルー、ニュージーランド、オーストラリアまで足を運び、カジキ類のタギング活動を熱心に行いました。

 

 釣りを愛し、海の資源保全に真剣に取り組まれたパクソン・オフィールド氏のご逝去は、ゲームフィッシング界にとって大きな損失です。JGFA 役員一同、ご冥福をお祈りいたします。