8/30〜9/1「茨城ビルフィッシュトーナメント」結果レポート

主 催:いばらぎビルフィッシュトーナメントネットワーク
共 催:大洗町、大洗のまつり実行委員会、大洗マリーナ利用者協議会、(株)茨城ポートオーソリティ
後 援:大洗町漁業協同組合、JGFA
協 力:茨城新聞、茨城放送、大洗町商工会、NHK水戸放送局、茨城観光協会、いばキラTV
開催日:2013年8月30日(金)〜9月1日(日)
開催地:茨城県大洗町大洗マリーナ
対象魚:カジキ類のみ
ルール:IGFAルールに基づくトローリング
 
 【復活した茨城BFTと、特別採捕許可】
日本国内だけではなく全世界を震撼させたあのショックから2年間の空白を経て、『茨城ビルフィッシュトーナメント』が開催されました。
忌まわしい津波の傷跡もすっかり修復された大洗マリーナは岸壁のコンクリートも、ポンツーンのウッドも一新されて光輝き、力強くこの日を迎えました。
 
今大会は「海彦」の金成氏をはじめとする実行委員会の熱意と、ビルフィッシュトーナメントを震災復興の基盤にしたいとする県の思惑が一致し、参加全艇には今大会終了後も9月中の土曜日、日曜日、祭日に限って、“茨城の海でカジキのトローリングを楽しんでいいですよ・・”とした特別採捕許可が降りたことから、
『茨城BFT』の終了後も9月中の毎週末、ルアーを流せる『大洗BIG1カーニバル』と題した大会も企画。
大洗から“元気”を発信し始めたのです。
このように全国的に見ても画期的な試みとした、1ヶ月というスパンのカジキの特別採捕許可により、9月中は一つの“トローリング月間”として県外からも茨城の海を楽しむボートを呼ぶことができるなど、高い経済効果も見られたことから、来年は7月〜9月の3ヶ月というロングランで特別採捕許可が降りる見通しとなり、我々が目指すトローリング開放に、『茨城BFT』は大きな希望を与えてくれた大会となりました。
 
【30日・前夜祭】
その誰もが待ちわびた大会に水を注すように発生した台風15号の進路が気になります。南西諸島や西日本の海域によってはすでに台風の影響も出始め、大会参加を予定していた何艇かのボートからは回航困難により
キャンセル・・・との連絡も入り始めたものの、開催地・大洗の天候は多少の風はあっても猛暑の真夏の晴天!
その後台風は温帯低気圧に変わり日本海側を速度を早めて北上している模様で、大会期間中の一日は影響が出そう・・と、参加者も気持ちのどこかで覚悟を決めてキャプテン会議に臨んだあとは、マリーナに隣接した第4埠頭に特設された大会会場に場所を変え、アットホームな雰囲気の前夜祭。
今か旬のしらす丼に舌鼓を打ち、すりこぎ棒のようにダイナミックなエビフライをかじり、飲んで食べて、とりあえず明日に備えました。
 
【31日・大会1日目】
あれほど心配した台風の影響は何処へやら、沖は多少の波っ気はあるものの、大会に支障をきたすほどでもなく、どちらかと言えば“真夏のトーナメント日和”になってしまいました。
6:00からは参加全艇に対する無線チェックが始まり、6:30スタートフィッシング!
ポイントに向かうボートの白い航跡は、待ちに待った北関東のトーナメントの復活を喜んでいるようで、ボートのバウンドも今回は何となく心地よく感じます。
スタートから約1時間経過した7:40、東日本から参戦の「イダテン」から最初のヒットコールが発せられます。
それを皮切りに「なつとⅤ」、被災地岩手から参戦の「さやか」、さらに「タモン」が次々とヒットさせるものの、フックオフやシイラだったりでポイントを掴むことが出来ません。
そろそろ9時かと思った8:53、「シードリーム」からヒットコール!続いて「バシリアス」、「フォワード」と
関東勢からヒットコール!  海況も回復してきた中で「シードリーム」は推定100kgのクロカジキをT&Rしてファーストマーリンポイントも獲得! 「バシリアス」も推定80kgのクロカジキを、「フォワード」は推定100kgのクロカジキをT&Rしてそれぞれポイントをゲットしました。
その後も「プランバー」、「誘凪丸」、「トリトン」がカジキを掛けるものの、すべてフックオフ! それらの熱戦を無線でワッチしている大会本部にも重苦しい空気が流れ始めた時、「ボボス」が推定130klgのクロカジキにタグを打って、再びヨシッ!という空気に包まれました。
その後は、「俊」、「ビスタ」、ふたたび「さやか」がフックオフした後、「愛海(まなみ)」が推定130kgのクロ
カジキにタグを打ち、「ハウオリ」も約1301kgのクロカジキにタグを打った後、中日本は名古屋から参戦の
「REX」からヒットコール! わずか6分という早業で推定40kgのマカジキへT&Rを成功させました。
本部船「海彦」ももちろんルアーを流しているのですが、残念ながらフックアップできない様子。
一方で今年最もカジキをヒットさせている「なつとⅤ」が約80kgのマカジキにタグを打ちポイントを獲得!
時間も13:00を回ってストップフィッシングまで2時間。西日本所属ながら知名度全国区の「BUZZ」がここで
“やっと”T&Rを決めます。
その後「ウォーターボーイズ」がクロカジキをキャッチ、重量は82kg! さらに「アルティマ」がT&Rを決め、「フォワード」は本日2本目のクロカジキをヒット!慎重にファイトして重量163kgというグッドサイズをキャッチ! さらにストップフィッシング寸前の14:55、「モンフレールⅡ」からヒットコール!  
ベテラン揃いのチームにより本日最後を飾る54.6kgのマカジキをキャッチしたのです。
こうして迎えたストップフィッシング。参加艇が続々と帰港して検量がスタート。
大会会場周辺では今大会に合わせて「海の感謝祭」というイベントも開催されていて、多くの来場者で賑わって
いたのですが、検量後に披露される“本物のカジキ”にギャラリーも大興奮! 
こんなに大きいカジキを見たことがない子供たちは、恐る恐るビルや目に触ってみたり、はたまた記念写真を撮ったりと大賑わい! 結局、初日の釣果はT&R11尾、キャッチ3尾の計14尾ということになり、明日に期待です。
 
【9月1日:大会2日目】
結局、あれほど心配した台風の影響はまったく受けることなく、前日よりもさらに条件の良くなった大会エリアに向けて6:30、スタートフィッシング!
この日のファーストヒットは「俊」。スタートから1時間ほど経過した7:24にヒットコールが入りましたが、80LBラインで推定140kgのクロカジキをT&R! 二日目のファーストマーリンポイントも獲得しました。
続いて「なつとⅤ」も好調をキープして約70kgほどのマカジキをT&R。 「誘凪丸」、「ボボス」、「フェアリー」も続きますが、残念ながらいずれもフックオフ。
9:37、「フォーマルハウト」からヒットコール! 162.kgのクロカジキをキャッチし、さらに広島県福山から
1週間前に回航してきた「ブルーブラック」があとに続いて159.4kgのクロカジキをキャッチしました。
「スタチューオブリバティー」もカジキをヒットさせるも残念ながらフックオフ!
11:00直前、北日本かから参戦の「シーホース」にヒット! 30LBラインを出し入れさせながらカジキをいなして推定120kgのクロカジキにタグを打ったのはさすが、北の海に慣れているチームです!
その後、「ナツトⅤ」、「月島みはらし」、「シードリーム」がヒットさせるもすべてフックオフ。
そんな時間帯に「BUZZ」が推定100kgのクロカジキにタグを打ち、ポイントを加算!
午後に入り、「ミニーマウス」、「サブリナ」からヒットコールが発せられましたがいずれもフックオフ!
今日のストップフィッシングは14:00。その40分前、「俊」からヒットコール! どうやらビッグサイズらしい・・とのこと。 渾身のファイトの末にキャッチしたのは234.4kgというモンスター級のクロカジキ!
このカジキの姿に会場のギャラリーは昨日以上にヒートアップ! ただ残念なことに検量の締め切りに間に合わず、痛恨のノーポイント!
しかし“北のカジキはデカイ!”を立証するような立派なクロカジキでした。
二日目の釣果はT&R 5尾、キャッチ5尾の計10尾。 
期間中のトータルはT&R 16尾、キャッチ8尾で、計24尾という素晴らしい釣果に恵まれたのでした。
こうして見事に復活し、幕を閉じた「茨城ビルフィッシュトーナメント」。来年はさらに多くの参加艇で賑わうかも知れません。
 
【大会の結果】
 
団体総合優勝: フォワード            鈴木賢広   469.5ポイント
       2位: シーホース          海馬善憲  300.0ポイント
           3位: フォーマルハウト 武藤雅夫   243.0ポイント
 
個人総合優勝:  三枝久美恵 フォワード  469.5ポイント
           2位: 二宮英明  シーホース    300.0ポイント
           3位; 明石和己  フォーマルハウト 243.0ポイント
 
BIGマーリン賞:  三枝久美恵    クロカジキ 163.0kg
ファーストマーリン賞:  シードリーム   伊東和幸
レディース賞:  三枝久美恵    フォワード 469.5ポイント
T&R賞:   なつとⅤ     萩谷孝彦
 

30日の行われた茨城BFTのキャプテン会議の冒頭、金成実行委員長に山口BOL全国幹事長より、BOLからの応援金が手渡されました。

茨城BFTのロングラン採捕許可取得に尽力いただいた大洗町の小谷町長。来年は3ヶ月にわたる土日祭の採捕許可が実現する見通しとなった。

復活した茨城BFTの記念すべき優勝は「フォワード」の頭上に!

北日本から参戦のベテランチーム「シーホース」が2位に入賞!

3位には新鋭「フォーマルハウト」が243ポイントで入賞!

大会会場では“海の感謝祭”というイベントも併催。訪れていたギャラリーも初めて目にする本物のカジキに大興奮!子供たちはビルに恐る恐る触ったり、記念写真を撮ったり、夏休みの最後に素晴らしい思い出ができました。

町主催の海の感謝祭では普段、立入り禁止の岸壁を特別に開放して釣り大会を開催。イワシ、アジ、ハナダイ、アナゴから、マダコなどなど、釣れる魚種は豊富で、小学生から大人まで、暑い中頑張って楽しんでいました。

北関東の海にカジキ釣りを定着させた・・・その人・金成実行委員長。この方の熱意と情熱が震災を乗り越え、カジキを通して町に元気を取り戻し、来年に向かってもう進み始めています。「全国の皆さん、来年の大会にもぜひきてください!」