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カジキ・ポップアップタグ・セミナーが開かれました。(パート1)


2004年4月27日(火)、JGFA・BOL(ボートオーナー連絡会)主催のトローリング&ボトムフィッシングセミナーが東京・港区芝の仏教伝道センター7F会議室で行われました。今回のテーマは、「カジキに付けたポップアップタグ浮上!」。
昨年、JGFAと遠洋水産研究所が共同して取り付けたポップアップタグ2個が相次いで浮上し、貴重なカジキの移動が明らかになったことを分析にあたった遠洋水産研究所の担当者の方から説明を受けました。
その模様を、パート1と、パート2、パート3に分けてご紹介しましょう。

パート1では、講師の斉藤宏和さんからポップアップタグの移動解析結果が発表され、パート2では、余川浩太郎さんから「クロカジキの年齢と成長」、パート3では同じく余川さんより「メカジキのアーカイバルタグ調査結果」について発表されました。

●セミナー名称:「BOLトローリング&ボトムフィッシングセミナー」
●主催:JGFA・BOL東日本
●日時:2004年4月27日(火)18:30〜20:30
●場所:仏教伝道センター7F会議室(東京・港区芝)
●講師とテーマ:パート1・・・斉藤宏和(遠洋水産研究所・近海カツオマグロ資源部)
              「ポップアップタグからのカジキの移動」
        パート2・・・余川浩太郎(同)
              「クロカジキの年令と成長」
        パート3・・・余川浩太郎(同)
              「メカジキのアーカイバルタグ調査結果」
●受講者:55名
JGFAと遠洋水産研究所が協力して、昨年、JGFAの大会
などで釣られたカジキにポップアップタグ(自動浮上式衛星追
跡型タグ)を3匹のクロカジキに装着しました。その内の2本
がこのたび浮上し、人工衛星からデータが送られてきました。
ポップアップタグの利点は、ある一定期間が経過すると
魚から自動的に切り離されて水面に浮上(ポップアップ)し、
人工衛星を介してデータが自動送信されること。今までは
その魚が再捕sれないとデータが回収できなかったのに比べ
データ確保が飛躍的に改善されました。
ポップアップタグのデータ取得のシステムです。
平成15年度のポップアップタグ放流実績です。
JGFAと遠洋水産研究所が共同して、7/19の下田国際カジキ
釣り大会(第25回JIBT)で、「アドミラル此廖淵ャプ
テン:前田利幸さん)が、続いて、8/17に「千羽丸」(同:中
川清次さん)に乗船した岡田順三会長が、そして、9/14の
福島ビルフィッシュトーナメントの際、「ティレオ掘廖米院
上宮田修さん)の合わせて計3本が装着されました。9/14分
はまだ浮上期間に達していないのですが、その前の2本が浮上
し、データが見事回収されました。
アドミラル困離織阿蓮146日目に浮上。この結果は、世界
のポップアップタグによるかじき類調査の中でもトップクラ
スとなる長期装着の事例となります。
放流後約1週後に黒潮に乗って東へ移動し、東経145-150度周
辺の北寄りに滞在したのち、8月末には一度千葉沖周辺に戻り
ました。この動きは、黒潮と親潮の混合域で、(日本へ向か
う方向の)西寄りの流れによるものかもしれません。その後、
約1ヶ月後にはまた東へ抜け、東経150-155度周辺に滞在し、
水温が低下するにつれて南下しました。
昼間は水面周辺(0-10m)に50%弱、他には25-50m周辺の
滞在時間が若干長いようでした。夜間については、殆ど水面
周辺に滞在していました(以上、左図)。右の図は、単位時
間(6時間)の中での最浅・最深水深です。9月までは潜って
も50m程度で(生息海域の鉛直水温に関連している模様、
後述)、10月以降は200mに近い潜行も記録されました。
外洋に出るまでの動きは7月放流個体と似ていますが、この
個体は9月前半には東経150度以東に離れたあと、戻ってくる
ことはありませんでした。
前出の7月放流個体とは異なり、10m以浅の存在時間は昼の
ほうが長く、夜に潜っているという逆の結果が得られました。
今までの我々の調査結果や他の研究報告を見ると、どちらか
というと昼に潜る頻度が高くなる傾向がありますので、この
ような結果が得られた理由を今後検証していきたいと思います。
照度により推定した位置データと、コロラド大学ホームページ
にて提供されている海面高度・潮流を重ねあわせて、比較しま
した。使用している図は7/26の海面高度と潮流、地図内の点は
7/19(放流)から8/1のクロカジキの推定位置です。この個体
は、7月24日頃に千葉南方周辺を遊泳しており、その後、黒潮
の流軸(流れの中心部)に沿って東へ移動しました。移動距離
と流れの速さを比較すれば、この魚が自発的に東へ移動したの
か、それとも黒潮に乗って移動したのか推定可能と思いますの
で、今後毎日の流れと推定位置を比較したいと思います。