JGFAロゴ Japan Game Fish Association
 
HOTニュース HOT NEWS

滋賀県のブラックバスリリース禁止条例案に反対します。


■2002年6月18日の中日新聞から・・・・

「釣ったバス 再放流ダメ」
ブラックバスなど外来魚が琵琶湖の在来魚を食べて生態系を乱している問題で、滋賀県は17日、湖で釣った魚を再放流する「キャッチ&リリース」を条例で禁止する方針を固めた。外来魚のキャッチ&リリース規制が盛り込まれた条例は全国でも例がない。
 県によると、琵琶湖の外来魚は約3千トンと推定され、県は漁師から網にかかった外来魚を買い上げるなどして毎年約百五十トンを駆除しているが、繁殖力が強く一向に減らないのが現状だ。
 漁業者は釣り上げた外来魚の再放流禁止を訴えてきたが、釣り人や、釣り人の減少を懸念するバス釣りの貸舟業者は県に禁止反対を陳情していた。
 県は、再放流の禁止より釣り人のモラルに訴える努力規定にするか、罰則を設けた禁止にするか、複数の案を模索していた。条例には罰則までは盛り込まない方針で、実効性が課題になりそう。
 条例案は、県の考えについて県民の意見を募った上で、最終的に県が決めるため、詳しい内容については流動的だ。条例は九月議会に提案される

■これにたいして、JGFAは2002年7月16日に下記の内容でこの条例案に反対する文書を県に提出しました。

「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適性化に関する条例要綱案」に関して

条例要綱案の目的に関しては、その意義に賛同いたします。しかしながら「第4章第20外来魚の再放流の禁止」に関しては、その目的の是非とは別に我々釣り人団体として同意しかねる内容となっております。いわゆる外来魚のリリース禁止といった規則は、これまで一部の都道府県の内水面漁場管理委員会による委員会指示という形で発令されたことがありますが、釣り人や釣り人団体との充分な話し合いがなされぬままさまざまな問題やあつれきが生じております。(現在、漁場管理委員会指示の発令には、トラブルの無いよう当事者の理解を得られる慎重な協議が求められています。)また、その本来の目的である外来魚の駆除に上記委員会指示の効果はほとんど表れていないと考えられます。そもそも釣り愛好者の手によってその対象である魚を駆除するという考え方には非常に無理があり、精神的にも堪え難い苦痛を強いられることは明らかです。とくにブラックバス釣りは当協会も推進する「リリースを前提としたスポーツフィッシング」の代表的釣りジャンルであり、釣った魚を食すという釣りのジャンルとは全く違う楽しみ方として日本に根付いております。そのような背景を無視した今回の「第4章第20外来魚の再放流の禁止」条例案は、釣り人の感情を無視した圧力的な規則として断固反対の意を表明せざるを得ません。琵琶湖特有の自然環境の保護や漁業とのバランスを考えたうえでの外来魚の管理に関して、釣り人も理解しえる内容を今後さらに議論し再考していただきたいと切にお願い申し上げます。