【元JGFA名誉会員・故常見保彦さんがIGFA釣りの殿堂入りを果たしました!」

インターナショナル・ゲームフィッシュ協会(IGFA)、新しく「釣り殿堂」入りするアングラーを発表!
 
2019年2月27日 米国フロリダ州デニアビーチ --- インターナショナル・ゲームフィッシュ協会 (IGFA)は、アマチュアの釣りに貢献があった5名を全世界から選定し、「IGFA釣り殿堂」にお迎えすると発表しました。
 今年殿堂入りが認められたアングラーは、IGFA世界記録保持者かつ海洋環境保護活動家テリー・アンドリュース氏、第41代米国大統領ジョージ H. W. ブッシュ氏、米国の海洋資源管理に多大な貢献をしたロバート・ヘイズ氏、回遊魚の研究者Dr. ジュリアン・ペペレル氏、そして釣り具業界のリーダーであり環境保全活動を行った常見保彦氏の5名です。
詳細はこちらです(英文)
https://igfa.org/2019/02/27/hof2019news/

★IGFA釣りの殿堂入りを果たした歴代の日本人の方(敬称略)
(1)大西 英徳  初代JGFA会長(1998年没)  授賞年:2006年 
(2)服部 善郎  元JGFA名誉会員(2011年没) 授賞年:2010年

常見保彦さんは、戦後の日本の釣り振興に多大な貢献をされた方で、JGFA設立当初より、当協会の活動を支援してくださり、長い間JGFA名誉会員をお務めいただきました。
その功績は世界レベルにふさわしく、JGFAではかねてより「IGFA釣り殿堂入りにふさわしい方」として推薦してまいりました。それが実り、このたび殿堂入りを果たされました。
IGFA釣りの殿堂入りは、日本人として、初代JGFA会長・大西英徳氏、元JGFA名誉会員・服部善郎氏に続き、3人目となりました。
日本の釣り界にとって、本当に素晴らしいことであり、心からうれしく思います。

以下は、常見保彦さんのIGFA釣り殿堂入りを伝えるIGFAプレジデント、ニール・ホートン氏からJGFA長鋪毅一郎会長に寄せられたレターです。 (翻訳:東 知憲さん)
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2019年2月26日


JGFA長鋪会長、

 

IGFAを代表し、常見保彦氏のIGFA釣り殿堂入りが、トラスティー会議において全会一致で決定されたことをお伝えいたします。

 

資源保全に関する生涯の取り組みにより、常見氏はゼーン・グレイ、アーネスト・ヘミングウェイ、大西英徳氏、アルフレッド・グラッセル Jr、マイケル・ラーナーといった伝説のアングラーたちに続く人物としてこの栄誉が与えられました。このすばらしいニュースを、常見家の方々にお伝えください。

 

2019年の記念式典は2019年9月14日に、ミズーリ州スプリングフィールドにある「ワンダーズ・オブ・ワイルドライフ博物館/水族館」において開催されます。JGFAの代表および常見家の方々にご臨席いただき、この栄誉ある賞を受けていただければと思っております。

 

IGFA業務開発ディレクターであるエリック・コンバストから、このセレモニーに関する詳細と、殿堂の展示に関わるアイテムの要請が送付されてくることと思います。もしご質問があれば彼、もしくは私まで直接ご連絡くださいませ。
電話は954-924-4325です。

 

おめでとうございます!

 

IGFA会長

ニール・ホートン
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【常見保彦さんの略歴】
常見 保彦 1913 – 2005
常見保彦さんは、1913年5月31日に埼玉県越谷市に生まれました。13歳のときに、絹糸の販売を行っていた「亀山テグス商会」に入社。修行ののち、台東区に「不二屋常見商店」を開店しました。
第二次世界大戦後、日本経済が活況を呈するなかで一般市民の釣りへの興味が高まり、常見商店は成長を遂げました。
1963年、常見さんが会員であった東京釣具協同組合は、後のフィッシングショーの原型となる「第一回東京釣用品見本市」を開催。翌年、常見氏は同組合理事長に選ばれました。
彼の会社「ツネミ」の存在は、日本の釣り具メーカーが世界的な競争力を持つきっかけともいえます。またツネミはラパラ、メップス、ボーマー、フレッド・アーボガスト、ガルシア、ミッチェルといった有名ブランドを取り扱い、それら海外メーカーは日本が大きな市場であることを知ったのです。
1966年、常見さんが率いる東京釣具協同組合は、伝統的な釣法と浅瀬の魚資源の存続に大きな影響を与える東京湾の開発計画に非を唱え、72万人の署名を集めました。
また1978年には水産庁に「遊漁班」の設置を求めるデモを実施し、請願書と100万人規模の署名を提出しました。その結果、水産庁には釣り人の窓口が設置されています。
このように、戦後間もないころより釣り界発展のために行政に働きかけを行うかたわら、(財)日本釣振興会、(社)全日本釣り団体協議会の設立にかかわり、釣り界において数多くの要職を務められました。

1979年、釣り振興に対する貢献が認められ、常見さんは都知事賞を受けました。また1983年には叙勲(勲5等双光旭日賞)。1996年には個人コレクションをもとに「釣り具のあゆみ博物館」を自社ビル内に創立。これは後に東京釣具博物館と改名されました。
常見保彦さんは、2005年に逝去されました。
彼の遺言は「日本を世界に冠たる釣り天国にしてほしい」というものでした。この常見さんの日本の釣りに対する真摯な思いは1996年版JGFAイヤーブックに「釣り天国ニッポンをめざして」と題し掲載されました。
 

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このたびIGFA釣り殿堂入りを果たされた故・常見保彦さん。(写真は2001年、初代JGFA会長の大西英徳賞を受賞された当時のものです。)

常見保彦さんのIGFA釣り殿堂入りを伝えるIGFAからのレター